児童婚は人権の侵害であり、 女の子の潜在能力を十分に発揮することを妨げます。学校からの退学、就労機会の制限、社会的孤立、性的暴力、早期妊娠を招き、多くの若い母親が死傷することが多くなっています 。これらの要因はすべて、 女の子 たちだけでなく、国の経済全体にとっても貧困の悪循環をもたらすものです。
SDGs(持続可能な開発目標)の目標5は、ジェンダーの平等の達成と、すべての女性と女の子の能力強化を行うことを掲げています。さらに、ターゲット5.3では、未成年者の結婚、早期結婚、強制結婚、女性器切除(FGM)など、あらゆる有害な慣行を撤廃することを掲げています。
ガーナでは、5人に 1人の女子が 18歳までに 結婚または 同棲 (非公式な結婚) をしています。 ガーナにおける児童婚 は、 1980年代の約 40%から 2018年 には 19.3%まで 減少していますが、 過去数十年間、 15歳までの結婚率は、 目に見える改善がないまま5%に停滞しています。 ガーナにおける児童婚の主な要因は、思春期の妊娠、貧困、教育の欠如、社会的・ジェンダー 的差別、生計 の 機会 がないことなどがあります。
ガーナ国内の児童婚の比率は世界平均( 19%)とほぼ同じですが、北部地域(北部州 、北東州 、サバンナ州 )と 東部地域は高く、それぞれ 28 、23%となっています。 多面的な子どもの貧困は北部地域で非常に高く( 86.6%)、不平等が拡大し、 社会的 サービスへのアクセスにも明らかな格差があります 。
最近の高いインフレは、多くの貧困層や脆弱な世帯への圧力を強める結果となり、より多くの世帯が絶対的貧困に追い込まれ、女子は児童婚の高いリスクにさらされてい ます 。 さらに、東部地域は 早期 妊娠の発生率が 最も高く (20~ 24歳の女性で 18歳までに出産した人の 29.4%)、ガーナにおける児童婚の 要因 となっています( 10人に 2人の児童婚が結婚前に妊娠しています)。
例えば、 2030年までに児童婚をなくすには、 北部と東部で 過去 10年間の 20倍の速度で進展する必要があります。
面積238,537平方キロメートル(日本の約3分の2)
総人口 約3,283万人(2021年:世銀)
民族 アカン、ガ、エベ、ダゴンバ、マンプルシ他
言語 英語(公用語)、各民族語
宗教 国民の約70%がキリスト教徒、イスラム教約17%、その他伝統的宗教等
産業 農業(カカオ豆)、鉱業(貴金属、非鉄金属、石油)
気候 雨季(4月~10月)と乾季(11月~3月)
一人当たりGNI 2,280米ドル(世銀:2021年)
経済成長率(実質)5.3%(2021年:世界銀行)
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1957年にサブ・サハラアフリカで初めて独立した国であるガーナは4回のクーデターを経て、1990年以降、政治情勢も安定して経済成長を続け、2010年には世界銀行の区分では中所得国に分類されるまでになりました。しかし一方で、都市部と農村部における深刻な地域格差など、課題も多く残しています。
第5次(2024~2028年)となる今回は、ユニセフガーナ事務所の下記事業に活動資金を送ります。
募金実施期間 | 2024年1月~2028年11月末
(現地での事業実施 2025年1月~2029年12月末) |
募金目標額 | 540,000米ドル
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支援地域と支援対象 | 支援地域:、3つの 地域(北部 州 、北東 州 、 東部 州 )
対象:対象地域の6,000人の 思春期の 女の子および30,000人の親や保護者、伝統的な宗教指導者、コミュニティ住民 |
児童婚の危険にさらされている6,000人の 思春期の 女の子 が、 PASS*プログラムによる安全な空間を利用して、一連のライフスキルおよびリプロダクティブ・ヘルス教育のセッションを受けることで、十分な情報を得た上で効果的に自分自身の意思決定を行い、自分の声を表現し、児童婚を予防し、対応するサービスやコミュニティのサポートを利用できるようにします。
具体的には、8カ月間で最低 31回 (週1回)の セッションを受けます。
PASSプログラムとは…青少年に安全な場所をプログラムのこと。10歳から19歳までの学校に行っていない思春期の女の子たちが、安全な空間を利用することができ、プログラムでは、重要なネットワーク、ライフスキル、知識が提供され、彼女たちが自信をつけ、情報に基づいた意思決定を行い、自分の声を表現し、児童婚を予防し、対応するサービスやコミュニティのサポートを利用できるようにします。
安全な空間は、訓練を受けたコミュニティのファシリテーター(若い女性のみ)が指導し、週に1回、女の子がゲームなどの遊びを通じて、ネットワークを作り、リスクなく子ども時代を楽しみ、女の子の意思決定、同意、女の子のエンパワメントなどの重要なテーマについて考えることができる物理的空間で開催されます。
30,000人の親や保護者、伝統的な宗教指導者、コミュニティ住民が、子どもや青少年の保護に関するさまざまな問題について啓発セミナーに参加し、彼らの知識を高め、児童婚や意図しない妊娠からの保護など、子どもの保護のための前向きな対策と実践を促進することを目的としています。
具体的には…子どもの保護に関するファシリテーター向けのツールキットは現在更新中で、ポジティブ子育て法、男性や男の子の参加、メンタルヘルスと心理社会的支援(MHPSS)など既存の主な内容を強化しています。更新されたツールキットは、児童婚の危険にさらされている、あるいは児童婚の影響を受けている思春期の女の子たちのニーズに総合的に対応するため、このプロジェクトで活用される予定です。
SDGsで掲げる「2030年までに児童婚をなくす」ためには、リスクの高い地域でこれらの取り組みを加速度的に進めていく必要があります。
「最も阻害された女の子自身のエンパワーメント」と「思春期の女の子を守る環境づくり」の両輪で子どもの権利が守られ、将来への夢と希望が持てるよう、皆様の温かいご支援をお願いいたします。
口座名義 公益財団法人 日本ユニセフ協会 郵便払込口座番号 00190-5-31000 備考 通信欄に神奈川県ユニセフ協会コード「K1-140」「12254ガーナ子ども保護」とご記入ください。 |
*手数料については、加入者負担あるいは免除となっております。
振込用紙が必要な方は、窓口専用・送料加入者負担の振込用紙をお送りしますので、当協会までご連絡ください。
*ATMおよびゆうちょダイレクト(パソコン、携帯、電話、FAX)では送金手数料が免除となりませんのでご注意ください。
*領収書は、約2週間後日本ユニセフ協会から送付されます。税金控除の対象になりますので、領収書は大切に保管してください。
神奈川県ユニセフ協会では、その前身(財)日本ユニセフ協会神奈川県支部設立以来、子どもの保護分野を中心に指定募金(活動分野や対象とする国や地域を指定した募金)に取り組んでいます。3年ないし5年にわたる長期的な支援を通じて、その国や地域の子どもたちの現状とユニセフの支援内容を皆様にお伝えし、世界が直面する問題や子どもの人権について広く考えていただく機会としています。
ユニセフ現地事務所からの提案を受け、運営委員会やボランティアからの意見を踏まえ、理事会で事業内容や規模・予算等を勘案し決定します。期間中は、現地から活動報告が送られてくる(年1回)ほか、中間年にはスタディツアー(現地視察)を行います。
2006~2010 | 第1次指定募金「ラオスの子どもたちを人身売買から守る」(5年間) |
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2010~2013 | 第2次指定募金「モルディブの栄養と環境教育」(3年間) |
2014~2018 | 第3次指定募金「ネパールの児童労働と闘う指定募金」(5年間) |
2019~2023 | 第4次指定募金「暴力と虐待からカンボジアの子どもたちを守る」(5年間) →2020年のプロジェクト成果はコチラ →2021年のプロジェクト成果はコチラ→2022年のプロジェクト成果はコチラ |